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宇治茶生産を守る誇りと苦難の歴史 The history of pride and hardship that protects Uji tea production

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吉田勝治さんのお父さんは、宇治茶の伝統と伝承そして新しい方途を摸索されていた。

 しかし、宇治市には宅地化が迫り、従来あった宇治小倉の茶園を守り抜くことは出来ない。

 丘陵地にあった先祖から伝えられた大切な茶園を手放し、巨椋池干拓地に新しい茶園をつくり宇治小倉の伝統を後世に残そうと尽力されたのである。

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 茶園と住宅地。共存は極めて難しい。


 吉田勝治さんが育った家の近くの小山園の茶園には、以下のような看板が掲げられている。

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 何度見ても短い文に込められた、お茶生産者と製造者の思いが伝わる。同時に、宇治茶の名前が世界中に知れ渡るようになった先駆者の努力に思いを馳せることが出来る。


新しい茶園に襲いかかる莫大な税に抗して


巨椋池干拓地に新しい茶園をつくったのが、1970年代に入ると農地法改正、市街化区域における農地転用許可許可制、固定資産税の宅地並み課税と次々と茶業を維持出来なくなる法律が打ち出されてくる。


 苦労以外の何物でもなかった茶園づくり。その茶園が宅地と同じ税がかけられる。


 茶業を生業としている人々にとっては、茶園を手放しても払いきれない重税であった。

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 吉田勝治さんのお父さんは、「宅地並み課税絶対反対」の運動をされ続けたことは言うまでもないことである。またその奮闘ぶりは多くの人々が知っている。


  わずかばかりの補償金で新たに茶園を確保


 紆余曲折をえて「宅地並み課税」は、宅地と農地の線引きで一応収まったが、農業を守るのではなく、その線引きも時代と共に次第に崩されてきている。


 その例が、( 参考 茶園 苦労に苦労を重ねたが行政はそれを削る https://ujimeicha20191112.exblog.jp/240048016/ )で 吉田勝治さんが話された小倉干拓地につくった茶園を道路拡張のために削る、という事でもあった。


吉田勝治さんは、道路拡張に伴う行政からの補償金で小倉遊田の茶園の北側に少しばかりの茶園を広げたんです、とぽつり一言。

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 その一言には、住宅地ならば、一坪数十万円の補償。だが宅地でなく農地であったため一坪1万円にも満たない補償金で干拓地につくりあげられた茶園が削り取られるという悔しさは感じられないようにも思えた。でも、そうではなかっただろうと今になると強く思う。


 わずかばかりの補償金で、新たに茶園を確保するという宇治茶の伝統を守ろうする静寂な心意気を感じた。


 宇治茶農園は、次々と宅地・マンション・駐車場などなどに変貌する。

 それでもなおかつ宇治茶生産者としての誇りを秘める胸の内は、計り知れない。

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by ujimeicha | 2020-02-08 21:32 | 宇治茶を知る | Comments(0)

吉田銘茶園の吉田勝治さんにお茶の話を聴く


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