柿の木と雀が茶摘みと本簾(ほんず)被覆栽培を知らせる、と Persimmon and sparrow. They teach harvesting Uji tea.
2019年 11月 14日
吉田勝治さんの話では、茶園の茶摘みは、一斉にするのではなくそれぞれの茶園の茶木の様子を見回り、それぞれの茶園ごとに茶摘みをするので茶摘みの日は違ってくるとの話。
この茶摘みの日を決めるのは、お茶の味を決める一年間の総集約になる。日々茶木の様子を見て決めると大変な作業であると思うが、茶摘みの日を決めることを意外にあっさり言われるのでとまどったことがある。
学術調査と科学分析をして先人の知恵もとりいれる
機械化された飲み物や食料生産がほとんどのいまの世の中、茶摘みの時期を前日やその日に茶摘みをすることを判断し作業する。
これは伝統と蓄積による賜物だけだと思い込んでいたが、吉田勝治さんから資料をいただくと学会論文そのものの資料。
吉田勝治さんが細かく自ら分析し、茶摘みや1年間のの生育さらにお茶の味わいが解るように文や分析表を作成されていたものだった。
だから科学的の農法と思い込んだ。
その方法にもとても驚いたが、さらに聞くと机上の分析ではなく古くから伝えられてきた言い伝えを根拠あることとして融合されているとも説明された。先代から伝わる知恵も。
そこで解った。
吉田勝治さんの作業場から柿の木々が見えたり、梅の花や桜の花が見える。
雀が知らせる「葉隠れ」とヨシズ
特に柿の木は先人の教えで、「雀の葉隠れ」という言葉があるとのこと。
新茶が採れる5月より少し前に、茶園にヨシズと藁で覆いをする。その覆いを被せる時がバロメーターに「雀の葉隠れ」という言葉をつかう。
「雀の葉隠れ」
茶と柿の木は生育スピードが似ており、柿の木に雀が止まって、葉っぱで少し雀が見え隠れするくらいの葉の大きさになったら、ヨシズ覆いを始めることが解る。
そして雀が完全に柿の葉に隠れるくらい葉が大きくなったら、ヨシズの上から藁を振る。柿の木の葉っぱと雀が、茶園覆いをする時期を知らせてくれることもあるから。
吉田茶園の一角に柿の木が植えられるのは、先人の知恵と教えと自然からのメッセージを受け取ることだと知った。